熱帯雨林破壊の現状
地球上の熱帯雨林は毎年17万平方qづつ減少しています。
2年あまりで日本の面積と同じくらいの熱帯雨林が消失している
ことになります。
近年、アマゾン地域の熱帯雨林は減少が増加傾向にあり、2004年
は過去最悪だった1994年に次ぐ面積の27,429平方km(四国の面積
の約1.5倍/東京都の約12倍)の森林が破壊されました。(INPE調べ)
この破壊は拡大しており、このままではアマゾンは数十年で消失して
しまいます。
■ アマゾン地域の森林消失の面積(ku/年)
赤字は当団体のの支援対象地域シングー国立公園が位置するマトグロッソ州とパラ州にかかる地域で、
消失面積はアマゾン地域最大ということがわかります。
| 州 | 原生森林総面積 | 〜1988年* | 1989年 | 1990年 | 1991年 | 1992年* | 1993年* | 1994年 | 1995年 | 1996年 |
| アクレ州 | 152,589 | 620 | 540 | 550 | 380 | 400 | 482 | 482 | 1208 | 433 |
| アマパ州 | 99,525 | 60 | 130 | 250 | 410 | 36 | − | − | 9 | − |
| アマゾナス州 | 1,562,488 | 1,510 | 1180 | 520 | 980 | 799 | 370 | 370 | 2114 | 1023 |
| マラニョン州 | 1,39,215 | 2,450 | 1420 | 1100 | 670 | 1135 | 372 | 372 | 1745 | 1061 |
| マトグロッソ州 | 572,669 | 5,140 | 5,960 | 4,020 | 2,840 | 4,674 | 6,220 | 6,220 | 10,391 | 6,543 |
| パラ州 | 1,180,004 | 6,990 | 5,750 | 4,890 | 3,780 | 3,787 | 4,284 | 4,284 | 7,845 | 6,135 |
| ロンドニア州 | 215,259 | 2,340 | 1,430 | 1,670 | 1,110 | 2,265 | 2,595 | 2,595 | 4,730 | 2,432 |
| ロライマ州 | 173,282 | 290 | 630 | 150 | 420 | 281 | 240 | 240 | 220 | 214 |
| トカンチンス州 | 32,056 | 1,650 | 730 | 580 | 440 | 409 | 333 | 333 | 797 | 320 |
| 年間森林消失面積 | 17,770* | 13,730 | 11,030 | 13,786 | 14,896* | 14,896* | 29,059 | 18,161 | 13,227 |
*は平均値をとったものです。(1988年以前、1992年および1993年)
| 州 | 1997年 | 1998年 | 1999年 | 2000年 | 2001年 | 2002年 | 2003年 | 2004年 | 2005年 |
| アクレ州 | 358 | 536 | 441 | 547 | 547 | 730 | 885 | 769 | 541 |
| アマパ州 | 18 | 30 | − | − | − | − | 25 | 46 | 33 |
| アマゾナス州 | 589 | 670 | 720 | 612 | 612 | 881 | 1,632 | 1,221 | 752 |
| マラニョン州 | 409 | 1,012 | 1,230 | 1,065 | 1,065 | 1,104 | 993 | 755 | 922 |
| マトグロッソ州 | 5,271 | 6,466 | 6,963 | 6,369 | 6,369 | 7,892 | 10,405 | 11,814 | 7,145 |
| パラ州 | 4,139 | 5,829 | 5,111 | 6,671 | 6,671 | 7,323 | 6,996 | 8,521 | 5,763 |
| ロンドニア州 | 1,986 | 2,041 | 2,358 | 2,465 | 2,465 | 3,067 | 3,620 | 3,834 | 3,233 |
| ロライマ州 | 184 | 223 | 220 | 253 | 345 | 84 | 439 | 311 | 133 |
| トカンチンス州 | 273 | 576 | 216 | 244 | 189 | 211 | 156 | 158 | 271 |
| 年間森林消失面積 | 13,227 | 17,383 | 17,259 | 18,226 | 18,165 | 21,205 | 25,151 | 27,429 | 18,793 |
★Mornitoring the Amazon Forest / INPE/ブラジル国立宇宙研究所(データのソースはこちら)
アマゾンの熱帯雨林の樹木層は高さが70メートルもあるのに 対し、
土壌は数センチ〜数十センチしかありません。木が切られたり、
焼かれると薄い表土が雨水で流され、回復不能な荒地と化して
しまいます。
自然下においては、森林自体の生態系(密集した樹林自体が風雨
を防ぎ、土壌は微生物によって葉や枝、虫などが分解され栄養素の
循環が行われる。)の見事なバランスによって表土の流出が行われ
ない仕組みになっているのですが、このような閉鎖系のシステムは
一度、その鎖が壊れると、急速なスピードで表土が流され病気に
かかり、死んでしまうのです。
植物はCO2を吸収し酸素を排出しており、アマゾンは地球の酸素の
収支の3分の1を担っていると言われています。
(CO2は昨今の地球の温室効果の半分に影響を与えています。)
CO2増加の大きな原因は先進国の排気ガスなどのエネルギー消費
が主ですが、森林破壊自体によっても17億トンのCO2が排出されて
いるのです。その上、伐採された樹木も最終的に木材や紙の形で
燃やされ、土壌中の有機物もCO2を発生するようになります。
また、アマゾンにおいて、多くの生物種(毎日100種以上の動植物)
が絶滅に頻しています。
(あと40年で地球上の種の4分の1が絶滅するスピード)
西洋医学で使う医薬品の原料である薬草の一部はアマゾンの
熱帯林から発見されます。わたしたちの支援対象地域である
シングーインディオ国立公園は氷河期にも緑が残ったので、種の
避難場所となり、地球上の生物遺伝子資源の2分の1が眠っている
という世界でもたぐいまれな所であります。
動植物のうち薬効が徹底調査されたのはわずか2%にすぎず、
調査前に猛スピードで動植物が絶滅しているのが現状です。
その中でも「インディオ」という人の種も絶滅の危機に瀕しています。
500年ほど前に白人がこの地にやってきてから、虐殺、奴隷化、
白人の持ち込んだ病気によって当時約1000万人近く存在していた
であろうというインディオが現在32万人(FUNAI調査、96年)に減少
しました。実に 96%が死滅しているのです。
日本の消費経済を支えている原料は、インディオのジェノサイド
(殺戮)を礎として、確立していったともいえます。
今のまま人類が自然破壊を続ければ、この先30年間、1日に
平均100の生物種が絶滅してしまうでしょう。絶滅は進化の一部
という考え方はあるものの、現在の絶滅率は先史時代の1,000倍
にも及んでいるのです。有史以前より気象変動が皆無であったアマゾンの熱帯林も
ここ数年、乾季に雨が降り、雨季に雨が降らない日が続き、
世界的な異常気象変動の影響を受けています。
熱帯雨林の破壊は、世界の気候にも影響をもたらします。
森林による保水効果の現象、アルベド(反射光)の増加、
森林焼却の際に空気中に放出される二酸化炭素・・・
こうした現象はすべて、大気の流れや熱帯地域から遠く
離れた場所の降雨量を変える結果をも生み出しているのです。