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2005年11月20日
「インディオの部族間抗争を引き起こす私達の暮らし」
数日前にブラジルのパウロから電話があった。支援対象地域のカヤポ族居住区に、テレーナ族が不法侵入し、マホガニーとパウミート(椰子の芽)を乱伐しているという。IBAMA(環境資源省)がヘリコプターで現場に降りようとしたところ、銃による襲撃を受けたため引き返したという。テレーナ族の背後に大がかりな白人のシンジケートがあるらしい。テレーナ族の保護区周囲は開発で自然が無くなり、独自の文化が消滅しつつある。
そんなインディオを白人が、金で釣り部族は違えど同じインディオの居住区に無断で泥棒のように入って、野生種を盗む。怒ったカヤポ族が、白人とテレーナ族に戦いを挑もうとした時、この地域をブラジル政府から任されている責任者、カヤポ族のメガロンがストップをかけた。もしそんなことになったらインディオが血を流すことになる。それだけは避けたいと彼は考えたのだろう。どちらにしても、不法侵入した側が悪いはずなのに、なんとメガロンが住んでいるコリーダに、この泥棒団は殺し屋を5人送ったという。コリーダはカヤポ族保護区から一番近い町なので、緊急を要する病人や、何かの用事で集落から来たカヤポ族が常にいるが、事の重大さを感じたメガロンが全員をそれぞれの村に戻した。
なんでこんな事が起こってしまうのか?パウミートはブラジル中で乱伐され、今や規制が厳しく、さりとて需要はある。カヤポ族の居住区は良質な野生のパウミートが群生しているので狙われたのだろうが、あまりにも理不尽な話だ。先頭でいがみ合うのはインディオどうしで、後ろで糸を操っている白人がいて、盗んだパウミートやマホガニーを消費するのは先進国に暮らす人間、という構図が見える。本来はブラジル政府が密猟者を検挙せねばならないのに、応戦するだけの武器も力も無く、尻込みしているのが現実だ。全くおかしい!そしてカヤポ族のリーダーたちは、私たち団体に協力を求めてきた。現場にメガロンが入り、仲裁したいが、ジャングルの中なのでセスナ機でしか行けず、その経費が無いので支援してもらいたいとの事。FUNAI(インディオ基金)の仕事であるはずなのに、本気でインディオの問題を考えていない。というか、今ブラジル政府全体が賄賂騒ぎで連日、新聞記事を埋め、ごたぶんに漏れずFUNAIの上層部から末端に至るまで、あらゆる手口で袖の下がまかり通り、大変な状態らしい。
地球環境が危機的な状況にあることを認識せず、私たちは大きな滝つぼへと船を進めているようだ。一人一人が身の回りの物がどんなプロセスを辿って手元にたどり着くのかを、今一度、真剣に考えてほしいと切にお願いしたい。