シングー地域のインディオの人々に多少でもお役に立てたら。という想いからこの活動をはじめて、12年がたちました。
悲しいかな現状は好転しているとは思えません。
たとえばシングー川上流域に位置するスヤ族。
8年ほど前に最初に訪れた時、周囲の牧場から垂れ流される農薬が集落の生活源となるスヤ川を汚染するので、抗議に行ったら、スヤ族3人が牧場主に殺されました。
同等で戦う必要性を彼らは感じ、私に武器購入資金を頼んできました。私はその件は断りましたが、この部族が存続していくための支援協力は惜しまないと話し、不法侵入者(野生動物の乱獲、野生植物の乱伐)を摘発、急病人の発生などの緊急時の早期対応に使用するボートや船外機、無線機を寄付しました。その後、何回かこの部族を尋ねましたが、いつもこのスヤ川汚染の問題がくすぶっていて、去年の夏、再び足を運び驚きました。なんと井戸が掘られ、私が着いた日に丁度水が出たというのです。スヤ川は汚染され、水を使うことが日常生活で危険になったために、マトグロッソ州政府がこの集落に井戸を作ったのです。大きな井戸堀り機材やらトラックが我が物顔でブラジル人夫数人と滞在している景色は、従来のスヤ伝統文化を一飲みするように私には映りました。数ヶ月この作業が必要なために、人夫達は酒やら音楽など外部の価値を無神経にこの集落に持ち込んでいました。
好奇心が強い若者のインディオはブラジル音楽に酔い、ランバダを踊り、独自の伝統を軽視するようになったと長老はなげきます。
川の水を使えなくなったことに不満を抱いた80人近いスヤの人々は、他の地域に移っていき、今は3分の2の人がここに留まっています。彼らの社会を壊してしまったその原因は文明側にあります。
このような現状はドンドンこの地域全体に起こってくることでしょう。NGOと呼ばれるグループと開発賛成派とのいたちごっこですが、さりとて私たちが支援活動を中止すれば、開発にもっと拍車がかかります。
”アマゾンのそんな遠いところの事など私たちには関係ない”と多くの人は考えているでしょう。しかし、日々、私たちが吸っているこの酸素はどうして作られるか考えたことがある人って果たして何人くらいでしょうか?アマゾンのジャングルは地球上の3分の1の酸素を作るのに一役買っています。
私たちはあきらめずにジャングルを残し、そこに暮らすインディオ存続の仕事を続けていきます。
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