代表 南 研子(みなみ けんこ)のアマゾン日記 


  <プロフィール>

         南 研子
 
              
女子美術大学油絵科卒業 大学卒業後、NHK「ひょっこりひょうたん島」
                「お母さんと一緒」などの番組で美術制作を担当。
                コンサートプロデューサー、舞台美術も経験。
                1989年、イギリスの歌手スティングが「アマゾンを守ろう」というワールド
                ツアーを実施。
                来日の際、同行していたアマゾンの先住民のリーダー、ラオーニと出会い、
                それを機に同年5月に当団体を設立。
                その後、10年間、年に数ヶ月、アマゾンのジャングルで先住民とともに
                暮らし、支援活動を続けている。
                


     ラオーニとともに


2004年6月10日    行ってきます!

あっという間に、アマゾン出発の日が来てしまった。後数時間で成田に行く。
今回のアマゾン支援金作りは大変だった。目標額には達しなかったが、とりあえず
自己資金から借りて持っていくことにする。それでも沢山の方から、愛と励ましを込
め支援金を頂けたことは、何より嬉しい。
 今回の旅は、カヤポ族の人が多数事故で亡くなり、彼らとの再会は辛いものがあり
そうだ。
 数日前に足の小指を折り、ちょっと歩くのがしんどいが、己のそそっかしさ故しょ
うがないかーーー。ゆっくり落ち着いて行動せよと言う、天の声が聞こえる。
 テレビのクルーが同行し、9月5日に”宇宙船地球号”の番組で放映する事が決まっ
た。もしよかったら観て頂きたい。
 秋間近に戻って来ます。それでは行ってきまーーーす!



2004年5月21日     マホガニーのドレッサー

    歯医者の待ち合い室で、パラパラと高級婦人雑誌をめくっていたら、あるページで指
    が止った。洒落たインテリアの紹介で、華奢な猫足をしたドレッサーが目に入った。
    引出しにはダイヤや真珠のアクセサリーが、顔を覗かせている。価格は70万円。な
    んと材質はマホガニーだった。私たちは数年前からマホガニーを守り、だか一方では
    消費する。なんだか気が抜けてしまった。結局のところ、いくら植林に力を入れアマ
    ゾンの森を残すよう頑張っても、先進国に暮らす人の意識が変らない限り、問題は解
    決しない。私は後数週間でまた、アマゾンに入る。支援金はまだ予定額に至らず、2
    50万円足りない。今は色々考えるより、資金作りに力を注ぎたい。アマゾンの神々、
    精霊さんが、応援して下さることを信じ、出発まで頑張ろう。


004年4月16日     選んだ道

今朝起きた時、ブラジリアにいるような感じがした。空気が乾き、風がそこそこあっ
て、太陽がでて、何となく大陸にいるような錯覚を覚えた。
 昨夜の”人質解放”の吉報のせいかもしれない。なにしろよかった!
私にとってはこのイラクでの日本人3名人質事件は人事ではなかった。
そりゃあ、いくら善意な行為だとはいえ、戦地のような所に自分の意志を持ち出向くのだから、人によっては”自業自得”だといわれてもしかたがないが、それで片ずけてしまっては話しにならない。
 この戦争の発端が、人の道から外れているとしたら、心ある者にとってはいたたまれずに正義の行動に移る。確かに”自己責任”はどんな事柄にも付いてまとう。
 私はブラジル滞在中に、生命の危機に数回あっているが、だからといってこの仕事をやめたいと、思ったことは無い。誰だって死にたくはない。
しかし、自分の選んだ生き方の道のりで、命が危ぶまれる出来事があった場合、人間は本能的に回避する術を知っている。冷静な判断も大切になってくる。一時的な欲求に準じて行動を起こすと、取り返しのつかない結果にもなる。

 数日前にブラジルの協力者であるパウロから電話が入った。
9日未明、カヤポ族15名が乗っていたマイクロバスが事故にあい、11名が死亡した。その中に、ラオーニの息子も入っていた。私たちの支援対象地域で、全員よく知っていた人たちだけに、電話口で2人で号泣してしまった。
彼らは、ブラジリアでのダム建設反対の抗議集会に参加し、帰路の途中の事故だった。ダムによる自然破壊は測り知れないものがあり、絶対に建設を阻止せねばならない。
亡くなった人たちは、カヤポ族の中核で、未来を繋ぐ存在だっただけに、返すがえすも残念でならない。彼らの意志を引き継いでいくために、私は何らかの行動を起こすだろう。それは命懸けの支援にもなる。
 次回のアマゾンへの旅は、今迄になく厳しく大変になるかもしれないが、アマゾンの神々、精霊さんの加護を信じ、恐れず、奢らず、謙虚と感謝の気持ちで行動していこうと思っている。


004年3月23日     今起きていること

やっと桜の蕾みが膨らみだしたかと思ったら寒波が襲来した。確か去年も桜の満開とみぞれが一緒だった日があった。何だかおかしい。
以前は1ヶ月に1回位しか見なかったテレビを、私は最近よく見る。
多発テロがイラクに留まらずに各国で起り、世界中がビクビクしているが、この原因はアメリカにある。
9.11のテロで弟を亡くした70才になるアメリカ人女性が、反戦のためにNGOを立ち上げ、意欲的に活動しているという記事が、天声人語に載っていた。本来なら弟を殺されたテロ集団が憎いはずだが、彼女はもっと根本的な問題を解決しなければならない事を認識しているのだろう。
今日、イスラム過激派ハマスのリーダー、ヤシン師がイスラエル軍によって殺害されたと報じていた。中東は今やカオスと化した。利権と宗教がぐちゃぐちゃに絡み、そのマイナスのエネルギーが世界中に流れ出している。いずれ近い内に、私たちの営みにもその影響が出て来るが、その波に合わせたら基準の定まらない善悪論争に巻き込まれることになるだろう。
人為的なこれらの事件が起っている中、アマゾンの森は、これも又、人為的な理由で減少の一途を辿っている。地球上に酸素が無くなれば戦争をやっている場合ではないのにーーーと私は思う。


004年2月26日     いのちの重み

ホットワイアードで公開日記を書いていたが、1月末でお役ごめんになり、RFJで続けて書いていくことになった。
最近 私は沢山の方から、人生相談を受ける。本職はアマゾン支援をすることだが、どうも占い師にでもなった方が、適役かもしれないと思う位、様々な悩み事を相談される。私は数年前に、アマゾンの呪術師からパジェ(呪術師)のライセンスを貰ったせいか、霊感が強くなったようだ。人は迷い、傷つき、悩み、苦しむ時が誰にでもある。逃げたい、辛いと言ったところで、事柄の渦中にいる時はどうにもならない。現在この国は、年間32,000人近くが、自殺する。その大方がうつ病にかかり、生きていく事がしんどくなり自らの命を絶つときく。辛い時に”ガンバレ”というのは酷なことだ。話し相手になり、ただただ聞いてあげる。これが一番だと思う。
昨日、埼玉県にある看護学校の卒業にあたり講演会を依頼され出向いた。眩しいほどの若い女性たちの前で私は、アマゾンでの体験談を語った。彼女たちはこの学校を卒業し、医療の現場へ立つ。私は”どんなに立派な建物や、権威ある医者がいようと、大事な事は、日々楽しく、沢山の体験を重ね、心を豊かにやわらかく、強くあること”そして、アマゾンで会った看護婦ヴューマの話しをした。数年前にカヤポ族のクベンコクレ村に滞在していた彼女に、私は”今迄で、一番大変だった事って何?”と聞くと”ある時、インディオの集落で若者が猛毒な蛇のジャララカに足を噛まれたのよ。
5分で死ぬことは知っていたけど、知っての通りここには医療設備なんて揃ってないし、薬だって不足してるでしょ。考えた末に、数人に彼を押さえてもらい、ナタで足を切り落としたわよ。だって足一本と命とどっちが大事だと思う?当然、麻酔なんて
なかったわよ”頭ではわかっているが、行動に移した彼女は凄い!彼女は立派な医大を出たわけでも、難しい専門の知識を持ってはいない。しかし、過酷な環境下で、経験と自らを信じる強さを持ち、人々を助けている。これこそが医療の原点だと私は思う。足一本なくなったが、この青年は彼女を命の恩人だと云っている。ヴュ−マはまた、間引きされそうになった、シャバンテ族の男の子を自分の子として育てている、優しさもある。ジャングルに住むインディオは毎日が命がけなので、自殺する者は皆無だ。人は本能的な危機感が無い状況に置かれると、自らの命を絶つのかもしれない。
うつ病の人もジャングル暮らしをすれば、すぐに治るのになあと思う。


2001年12月から、ホットワイアードでの日記公開分です。
是非ご覧ください!
  http://www.hotwired.co.jp/opendiary/


001年11月7日     どんな未来を選択しますか?


約3ヶ月のアマゾンの旅から10月末に戻ってきました。電気・ガス・水道そして貨幣制度が未だ確立していないインディオの社会に長いこと身を置き、慣れ親しんで暮らして来て、サンパウロに着くとアメリカのビル・アタックの映像がテレビから飛び込んできました。1ヶ月以上も前の出来事だったんですが、毎日のようにブラジルでもニュースとしてその後の流れも伝えていました。大統領のカルドーゾ氏は、ブラジルのこの件に対しての姿勢は”中立”といち早く宣言しました。この辺がすごいなぁって思いました。テロは良くない。さりとて戦争も良くないという訳です。

単純な疑問ですが、”何故、この時期にこんなだいそれた事をしたんだろう?その後、戦争になることは当然、わかっていただろうし・・・””それに私がテロをやりましたと誰も言っていないし・・・”釈然としないモヤモヤした気持ちになってきます。世界のごく一部の権力者達がコントロールしているようにも思います。戦争は一番の環境破壊です。

インターネットやらITやらと知識でおぼれそうになり、現実感の薄い数字だけのマネーゲームが巾をきかせている物質文明と、時計さえも持っていませんが、大地にしっかり足をつけて自然の摂理に従って生きているインディオの社会を比較しますと、次世代に対して明るい未来を感じることができるのは先住民の人々だと思います。これからますます不安材料が出てくるでしょう。個人の今まで生きていた価値観で、個が判断し、選択していかなければなりません。日本人が”烏合の衆”にならないことを望むばかりです。


001年8月10日     目先の欲と引き換えに失うもの


1989年5月にイギリスの歌手スティングがアマゾンインディオのの長老ラオーニを伴い、”アマゾンを守ろう”というワールドキャンペーンツアーを企画し、来日した際、私たちは当団体を設立しました。そのツアーのきっかけとなったのが、ブラジルでのダム建設です。2010年までにアマゾン川支流域に104ヶ所のダムを作るという計画です。世論が騒ぎ、このツアーも功を奏し、計画は中止になりました。そして今、再びこの話が浮上しました。

2002年開始。シングー川下流域のベロ・モンチに世界一、ニを争うダムの建設が予定されました。もしこれが実現すると、18000平方キロメートル(約 四国以上の面積)の広大な熱帯林が水没し、約10万人の人々が強制移動しなくてななりません。先住民カヤポ族4000人の生活居住区も無くなります。このダムが建設されると、世界最大の人造湖が出現すると同時に、地球上でも貴重な種が集中している地域が水没してしまうことになるのです。

神の領域である熱帯林は一度壊すと再生は不可能です。同じ緑でも植林とは大違い。人類はなんとおろかなのでしょう!!目先の欲と引き換えに未来の命を絶つのですから。

私は8月13日にアマゾンへ出発します。16回目の旅になります。ダム予定地も可能であれば訪れたいと思っています。沢山のしんどい事柄が待っている重い視察になりますが、心をニュートラルにして、カヤポの人たち、森の聖霊さん達と対応策を考えてきます。
10月末には戻る予定です。それでは、お元気で!行ってまいります。



001年6月15日     日本に帰ってきて感じたこと


5月にブラジルから戻り、そのすぐ後から2週間展示会を催し、バタバタとしているうちに今日になってしまいました。日本に帰ってきたら、首相が小泉さんになっていて、グングンと政治にも勢いが出てきて、一般の人も今までになく政(まつりごと)に興味を示すようになったことは良いことだと思います。
しかし、具体的な状況は以前と変わらず、それ以上に低迷し、小泉さんがあたり前のことをしているにもかかわらず、その事柄に必要以上の評価をするということは、それ以前は想像をはるかに超えるひどい状態で政治が動いていたことになります。

今回、あちらでカヤポ族のラオーニに会ったとき、「研子。今は本当に大変な時期で、これを乗り越えるには今までの聖霊の力では無理になった。「時すでに来たる」と言って、眠っていた偉大なる神”カブラオン”が目覚め、カヤポにより力を与えてくれた。この神が起きるということは、世界が予想もつかないことが起こる前兆だ”と語ってくれました。

確かに世の中おかしいです。沢山の小学生の命が一人の狂人によって絶たれたり・・・ですが、よく考えてみると、このような社会を創ったのは私たちです。日本を離れて遠くアマゾンから我が国をみると、いろいろと気が付くことが多いです。

特に教育に関して考えてみますと、日本人の識字率は驚くべきことに100%近くになりますが、ごく身近な狭い範囲の中でしか思考せず、全体の国の成り方(政治)まで、考えが発展していません。

ブラジルでは文盲の人も政治に対して個人の意見をもっています。インディオにいたっては、個と政が密着な存在としてあり、常に全体の動きを把握し、方向性を確認しています。
”ミミズのたわごと”で終わらせずに個人の考えを反映する社会を創っていくのは私達一人一人の責任だと思います。参議院選挙、地域の選挙が始まります。
是非、個人の声を公に伝えるために参加してください。


001年4月7日     来週出発します。


あっという間に4月に入ってしまい、あと一週間もするとまたブラジルへ行くことになります。ここ数年は、年に2回渡伯していることになるのですが、今回の目的はサンパウロでシングーインディオの伝統文化をブラジル行政、企業、一般の方々に理解していただくためにイベントを開催することです。多くのブラジル人はインディオは野蛮で野生動物と同類に判断し、差別の対象として扱っています。確かにシングーインディオは未だに独自の文化が残り、貨幣制度も確立しておらず、裸で暮らし、電気・ガス・水道もなく、お日様と共に生きています。
文明人のように己の欲のために自然を破壊し、本来の地球の運行を無視するような暮らしはしていません。一体どちらが野蛮なのでしょうか。

自然の法則にしたがって生活しているインディオの人々が作る工芸品は優しく、暖かく、時としてユーモアがつまっています。
このイベントは、インディオの集落の映像や日常品を展示し、アマゾンの時を感じていただき、人々の心の扉をノックします。扉をオープンした後にはそれぞれの生き方のセンスにおまかせすることになります。

私たちRFJは、現場で具体的な支援活動を実施すると共に、このような啓発活動も大切なことだと考えています。
8月から約3ヶ月、じっくり腰をすえてジャングル暮らしをするための事前準備調査も今回行わなければなりません。次回は、そのご報告もしたいと思っています。

それでは、行ってまいります!


001年2月25日     どこへむかっていくのか。

001年1月10日     幸せって何なんでしょうね。


000年7月30日
 
   もうすぐアマゾンへ


000年5月16日     こどもの育て方


000年4月16日     ただ今が存在するだけ

000年3月22日     男のイニシエーション


000年2月21日     インディオの少女が大人の女に
                        なるまでのイニシエーション
 000年2月3日     ーパーで見かける切り身の魚。
                   こんな日常生活の繰り返しで自然と人間が
                   ばらばらになっちゃった。

        2000年1月21日   いつも飲んでる缶ジュース。
                        缶には、どんな生命がこもっているの?