RFJの支援活動
|
■現地(ブラジル)での支援活動 |
熱帯森林保護団体は1989年に設立し、現地の支援事業を開始しました。
支援対象地はシングーインディオ国立公園およびカヤポ族居住区(以下PIX)で、1991年11月26日にブラジル政府が正式に承認したインディオ保護区であり、18万平方km(日本の国土の約半分)の 面積を有しています。
|
|
■様々な支援活動の背景
この地域には18部族、約2万人の「インディオ」 と呼ばれ、 また自らもそう呼んでいる先住民の人々が、独自の文化系体を崩さず、貨幣経済システムをとりいれずに暮らしています。
しかし、数年後には確実に貨幣制度が導入されることが予測されます。主に狩猟採集を営み、部族によっては耕作を始めたところもありますが、要因の1つとして、近年、周辺で牧場造成や鉱物採掘の開発により、森が破壊され野生生物が減少したことあげられます。
近郊の開発で必然的にインディオ保護区に暮らす インディオは外部との往来が頻繁になったところもあり、中には都会に憧れ、ポルトガル語も話せず集落を飛び出し、外部との格差に耐え切れず自らの命を絶つ若者や、金採掘業者に訳のわからぬままサインをさせられ、労働を強いられ、挙句の果てに水銀中毒やエイズ感染で命を落とす者も現れています。全て外の世界への認識不足が招いた不幸な出来事といえるでしょう。
92年と93年に郵政省ボランティア貯金助成で、カヤポ地域のバウ川流域近辺に点在する金採掘場から検出する水銀汚染の現状調査に現熊本学園大学教授の原田正純先生のご協力を仰ぎ、当団体が資金支援したブラジル医療チームにより92年のリオで開催されたグローバルフォーラムの席で現状を発表し事の重大さをアピールすることができました。それ以前は発病してもマラリアだと片付けられていた水銀中毒への認識が大きく高まることになったのです。
(アマゾン川流域には3000箇所あまりの金採掘場があり、既にアマゾン川流域には不知火海(八代海)に流された800トンの水銀を上回る2000トンが放置され、被害が深刻化しています。)
92年にコーロル政権下において従来の先住民支援の予算が
75%カットされた為、継続していた先住民支援事業が窮地に陥り、現在は他国のNGOの支援金によって、さまざまな事業支援が展開されています。
熱帯森林保護団体(以下RFJ)は、境界線画定作業、コレラ救済緊急医療支援、水銀汚染対策プロジェクト、野生生物保護活動などを行い、現在は継続して植林事業、教育事業(識字教育、教師育成)、緊急医療支援、経済自立支援事業、先住民文化保存事業などを行っています。また緊急性、需要などを考慮した様々なプロジェクトをを展開しています。
開発による自然破壊、森に暮らす先住民の人権侵害、現状を知れば知るほど事柄が緊急を要しています。
RFJは、カヤポ族のリーダーであり、FUNAI(インディオ保護基金)のゴトロティレ地域の責任者であるメガロン・チュカハマエから
「インディオ世界の知恵だけで、ポルトガル語もわからず外部の情報を知らずでは、次世代の存在が危ぶまれる。数年後には必ず貨幣システムも入り、価値観も変化してくることだろう。時の流れに逆らうことは難しく、このままではブラジルの社会の最下層に従属せざるを得なくなる。せめて共生の中で巾のある選択枝を子供たちに与えたい。そのために、集落内に学びの場を設け、教師を招き識字教育を実施したいので是非力になってほしい。」
という強い要望を受け、この事業への支援を決断しました。
94年からの寄付金や助成金で6箇所(パナラ・カポト・カショエラ・クベンコクレ・プカヌ・パウ)に寺子屋風の学校を建て、FUNAIのメンバー、ブラジリア大学の専門家たちが独自の教材を作成し約500人のインディオの子どもを対象として実施しています。
過酷なジャングル暮らしにブラジル人教師の8割はマラリアに感染し、責任者のマリア・エリーザは20回以上発病していますが、20数年シングー地域を支援し、現地語も習得している彼女はこの識字教育を命がけで遂行しています。
長老も伝統文化継承の授業で教壇に立ちます。教室には子供達だけでなく、鳥やバクやアリクイ等も参加しての微笑ましい風景が見られます。最終目的は自助努力により、自立への道として、インディオ自身による学校組織運営の樹立を行い、法的に認知されることです。
|
約10年間実施してきた教育プロジェクトが実を結び、インディオの教師も誕生しました。支援対象地域の中央に位置するポスト・ピアラスに総括的な存在の学校を建設しました。この学校ではコンピュータも導入しています。学校建設費は日本政府が資金援助し、必要な機材一式は当団体が支援しました。2005年3月18日に開校式を行いました。 |
| また、RFJは主に熱帯林とそこに暮らす野生種の保護と不法侵入者の乱獲から彼らを守るためのインフラ整備、専門家調査行っています。 69年インディオを一掃するために、外部から天然痘、インフルエンザ、結核などの病原菌を意図的に持ち込んだインディオ担当官や地主により、一時的にPIXの人口は半分以下に減少しました。 当時の法務長官ジャデル・フェルナンドの報告書の内に、プロハンターにかかり逆さ吊りにされ、斧で身体を切り刻まれるインディオの女性や逃げ惑う子供をゲームのごとく撃ち殺している白人の写真も存在しています。93年のヤノマミ族大量殺戮のニュースは世界中に流されました。 97年には突然シングーで結核が蔓延し、これも水面下で不穏な空気が漂っていましたが、このときも緊急医療支援を行いました。 |
ジャングル、野生動物、そして森の番人であるインディオの人々。すべての命の重さは、私たちと同じです。
遠いアマゾンの事件をたぐり寄せると、文明社会の便利で豊かな社会にたどりつきます。
RFJは今後とも熱帯林と先住民の命を支援していきます。
これまで見てきたように、ブラジルのアマゾンの熱帯林は一元的な理由ではなく、
複雑な要素が絡み合って減少しているのです。
先住民は焼畑を行うことがあっても、必要最小限の行為で、
何万年にも渡って「持続可能な開発(sustainable development)」方法で森と共存してきました。
先住民こそが「森の番人」であるということができるのです。
シングー地域においては、先住民の支援が結果的に熱帯林を守る事につながります。
生活の基盤をジャングルに置く先住民は、
独自の生活文化の存続を強く願っており、その為には森の存在が不可欠なのです。
![]() |
本来なら約1万5千年前からの住人であるインディオにとって、 アマゾン全体が彼らの生活の一部です。インディオ=保護という考え方自体が僭越であるとも言えるでしょう。 インディオの意識には森林を「保護」するという考え方は存在しません。畏敬の念をもって自然と接し、共に生きているのです。 経済優先の論理にそって生きていた私達が、物質文明の限界に立たされ、豊かで便利な生活を得た代償として、同時に沢山のリスク(世界的な気象変動、オゾン層の減少、温暖化現象など)が現実にたちふさがっています。文明という迷路から脱出するための鍵を先住民と呼ばれている人たちが握っているように思われます。大規模な環境破壊が世界中で展開され、自然との共生のありかたを今一度認識する時期にきています。熱帯林が全滅する前に、今こそ一人一人の意識変革(パラダイムのシフト)が必要なのです。 |
ブラジルの熱帯林は法的に認定されているインディオ保護区を除き、一部の自治体や国の管理地を別にすると、
大部分は個人か企業が所有しています。
インディオ保護区では先住民の承認なしに開発をすすめることが禁止されているので、インディオ保護区を更に
承認してもらい、拡大していくことは、今日の加速度的な熱帯林の減少の対策にとても重要なことです。
先住民の存続は熱帯林の保全につながり、また熱帯林の保全は先住民の存続へとつながります。
私達は地道に小さなところからアマゾンの熱帯林とそこに暮らす先住民のための支援活動を続けてまいります。
TOP
NEXT →ご支援方法