RFJの支援活動

■現地(ブラジル)での支援活動

   (1)シングー国立公園およびカヤポ居住区における外部との境界線確定作業の資金提供
     世界の熱帯林保護のモデル地区 ”シングー国立公園” 設立後、外部との境界線確定に関わる具体的作業の
     資金的支援。

   (2)熱帯林・先住民への支援事業(資金・物資・人的援助)

    熱帯森林保護活動        
     ・不法侵入者による野生植物の乱伐、野生動物の乱獲を阻止するための支援活動
     ・鉱物資源採掘や牧場造成、大豆畑などの開発によって熱帯林の減少が加速し、それの対応策としての植林事業
     ・熱帯林に暮らす野生動物、植物の調査と保護活動
     ・現地住民協力のもと、不法侵入者による野生種乱獲の監視プロジェクト実施
     ・ブラジル政府に対して以上のアドボカシー(提言)活動を行う

    
<教育事業>
     ・先住民の子供を対象とした識字教育事業(学校建設、教科書の作成、文房具の提供等)
     ・先住民の教師を育成するための教師育成プロジェクト
     ・インディオの長老や呪術師による伝統医療(薬草)を次の世代への伝承プロジェクト

    
<医療支援事業>
     ・金採掘による水銀汚染中毒に苦しむ先住民への医療支援
     ・流行病の蔓延しているシングー地域の先住民に対しての医療援助
     ・その他緊急時の医療援助

    
<経済自立支援事業>
     ・フェアトレードによる先住民経済自立支援

    
<先住民文化保存事業>
     ・先住民の文化記録プロジェクト(ビデオ、本、CDの制作と展示会での紹介)

    
<その他の支援事業>
     ・先住民のニーズがあり、緊急且つ需要がある物資(ボート、エンジンなど)の提供


■国内での支援活動

   (1)啓蒙・啓発活動
     アマゾンの森林破壊や生態系、先住民の生活などについて、各地でシンポジウム・講演、展示会を行う。
     要望に応じ、学校への資料提供、環境問題教室への資料、アドバイスの提供などを行う。

       
              スライドを使った講演会            カヤポ族のラオーニの講演会(修道大学/2007年5月)
  
   (2)ニュースレターの発行
     季刊ニュースレター「おっこらい」
   
   (3)出版
    ・アマゾンの先住民の神話「世界をささえる一本の木」(福音館書店)
    ・15年にわたるアマゾンの現状支援の中で、インディオから授かった知恵、自然環境の現状についてのわかりや
     すい内容。2000年4月に当団体代表、南研子によるアマゾンの体験を綴った 
     「アマゾン、インディオからの伝言」(ほんの木)を出版。
     2006年11月に2冊目の著書「アマゾン、森の精霊からの声」(ほんの木)を出版。
     
   (4)各種イベントの企画                               
     だれもが気軽に参加できることを基本に、他のプロジェクトともつながり、国内外でのイベントを企画・制作する。
     ・現地のインディオ・リーダーや文化人類学者を招いたシンポジウムの主催
     ・レインフォレストチャリティーコンサート
     ・アマゾンの現状(文化、自然環境、政治状況etc.)を紹介するイベント    
      
   (5)物品販売
     書籍、リトグラフ、Tシャツ等の販売
 
   (6)情報、文化の発信
     アマゾンの文化の紹介(展示館、ミュージアムなどでの開催)

               
        1995年半蔵門「プチ・ミュゼ」においての展示会        2001年サンパウロのSESCにてにおいての「メイナク展」

          
            「アマゾン、インディオ文化展」                   「アマゾンの侍たちー人間・自然・芸術ー」展
            (2007年5月/広島アステールプラザ)                (2007年7-9月/川崎市岡本太郎美術館)


   (7)報道
     ”フリーゾーン2000” (衛星放送) ’93年 3月放映
     ”世界ふしぎ発見” (TBS) ’94年 3月放映
     ”日曜美術館” (NHK) ’95年 10月放映
     ”神々の詩” (TBS) ’98年 12月放映
     ” 生命38億年スペシャル「人間とは何だU」” (TBS) ’99年11月放映 
     ”「森の哲学者メイナク族」” (TBS−BS) ’00年9月放映
     ”「素敵な宇宙船地球号〜円い村からの伝言〜」” (TV朝日) ’04年9月放映
     ”「精霊が来た 長老と旅する女たち」” (フジTV)  ’07年10月放映


支援対象地域および支援活動の背景 

熱帯森林保護団体は1989年に設立し、現地の支援事業を開始しました。
支援対象地はシングーインディオ国立公園およびカヤポ族居住区(以下PIX)で、1991年11月26日にブラジル政府が正式に承認したインディオ保護区であり、18万平方km(日本の国土の約半分)の
面積を有しています。


 シングーインディオ国立公園とは?

アマゾン川支流、シングー川流域に位置するシングー・インディオ国立公園はブラジル中央部に位置するパラ州とマト・グロッソ州にかかる18万平方km(日本の国土の約半分)の面積を占め、シングー地域、ゴロティレ地域、クベンコクレ地域、バウ地域に分かれている。バウ地域を除いた地域は1992年11月26日、永久インディオ保護区としてブラジル政府が承認した。ここは2万人、18部族(タングル、メイナク、イァラプチ、カマユラ、カラパロ、クイクル、マチブ、トゥルマイ、ナフクア、カヤビ、ジュルーナ、スヤ、チカウン、ゴロティレ、シクリン、チュカハマエ、アウエチ、バウ)の先住民が暮らしている。

最初の外部との接触が50年前とまだ日が浅いこと、セルタニスクと呼ばれる接触官であったヴィラス・ボアス3兄弟が、この地にキリスト教を持ち込まなかったことで、現在までインディオの伝統文化が独自に継承されている重要な地域でもある。ブラジルのインディオ社会のほとんどはキリスト教への改宗で、独自の文化が消滅してしまった。また、この地域の気候はサバンナと熱帯雨林の両方を有し、氷河期にも緑が残っていたため、種の避難場所となり、地球上の生物遺伝子資源の約半分が生息するという、世界でもたぐい稀な地域でもある。この地域の生態調査の結果、生物種の全体の2%しか未だ発見されておらず、今後、エイズ、癌などの特効薬が見つかる可能性も大きいと言われている。

近年この地域の周辺では牧場造成、鉱物採掘場、大豆畑、また、石油の代替燃料として注目されているエタノールの原料となるサトウキビやトウモロコシの畑の開発が進んでおり、ここは陸の孤島のようになってしまった。
 1992年までは政府機関であるFUNAI(国立インディオ基金)が全面的にインディオ保護を行っていたが、債務を抱えるブラジル政府は外貨獲得の開発事業を優先し、FUNAIの予算を年間、従来の75%に削減してしまった。現在、シングー・インディオ国立公園は公に認定された地域にもかかわらず、実質的な援助はNGO、他国政府などの資金的支援で補われているといっても過言ではない。
 インディオの人々の生活にも変化が出始めた。外部から持ち込まれた病原菌が元で命を落とす人も多く、医薬品の不足が深厚な問題となり、医療支援が緊急課題である。また、貨幣システムを持っていなかったインディオの人々の未来の存続を考慮し、ブラジル社会の最下層に従属することもなく共生の選択を可能にするためにも、教育プロジェクトの実施も重要である。多国籍企業、個人が熱帯林を所有しているため、ブラジル国内で熱帯林を保護する方法は、インディオ地区を法的に認定し、拡大していく道しか今や残されていない。

■様々な支援活動の背景

この地域には18部族、約2万人の「インディオ」 と呼ばれ、 また自らもそう呼んでいる先住民の人々が、独自の文化系体を崩さず、貨幣経済システムをとりいれずに暮らしています。

しかし、数年後には確実に貨幣制度が導入されることが予測されます。主に狩猟採集を営み、部族によっては耕作を始めたところもありますが、要因の1つとして、近年、周辺で牧場造成や鉱物採掘の開発により、森が破壊され野生生物が減少したことあげられます。


近郊の開発で必然的にインディオ保護区に暮らす インディオは外部との往来が頻繁になったところもあり、中には都会に憧れ、ポルトガル語も話せず集落を飛び出し、外部との格差に耐え切れず自らの命を絶つ若者や、金採掘業者に訳のわからぬままサインをさせられ、労働を強いられ、挙句の果てに水銀中毒やエイズ感染で命を落とす者も現れています。全て外の世界への認識不足が招いた不幸な出来事といえるでしょう。

92年と93年に郵政省ボランティア貯金助成で、カヤポ地域のバウ川流域近辺に点在する金採掘場から検出する水銀汚染の現状調査に現熊本学園大学教授の原田正純先生のご協力を仰ぎ、当団体が資金支援したブラジル医療チームにより92年のリオで開催されたグローバルフォーラムの席で現状を発表し事の重大さをアピールすることができました。それ以前は発病してもマラリアだと片付けられていた水銀中毒への認識が大きく高まることになったのです。
(アマゾン川流域には3000箇所あまりの金採掘場があり、既にアマゾン川流域には不知火海(八代海)に流された800トンの水銀を上回る2000トンが放置され、被害が深刻化しています。)


92年にコーロル政権下において従来の先住民支援の予算が
75%カットされた為、継続していた先住民支援事業が窮地に陥り、現在は他国のNGOの支援金によって、さまざまな事業支援が展開されています。

熱帯森林保護団体(以下RFJ)は、境界線画定作業、コレラ救済緊
急医療支援、水銀汚染対策プロジェクト、野生生物保護活動などを行い、現在は継続して植林事業、教育事業(識字教育、教師育成)、緊急医療支援、経済自立支援事業、先住民文化保存事業などを行っています。また緊急性、需要などを考慮した様々なプロジェクトをを展開しています。

開発による自然破壊、森に暮らす先住民の人権侵害、現状を知れば知るほど事柄が緊急を要しています。

RFJは、カヤポ族のリーダーであり、FUNAI(インディオ保護基金)のゴトロティレ地域の責任者であるメガロン・チュカハマエから
「インディオ世界の知恵だけで、ポルトガル語もわからず外部の情報を知らずでは、次世代の存在が危ぶまれる。数年後には必ず貨幣システムも入り、価値観も変化してくることだろう。時の流れに逆らうことは難しく、このままではブラジルの社会の最下層に従属せざるを得なくなる。せめて共生の中で巾のある選択枝を子供たちに与えたい。そのために、集落内に学びの場を設け、教師を招き識字教育を実施したいので是非力になってほしい。」

という強い要望を受け、この事業への支援を決断しました。

94年からの寄付金や助成金で6箇所(パナラ・カポト・カショエラ・クベンコクレ・プカヌ・パウ)に寺子屋風の学校を建て、FUNAIのメンバー、ブラジリア大学の専門家たちが独自の教材を作成し約500人のインディオの子どもを対象として実施しています。

過酷なジャングル暮らしにブラジル人教師の8割はマラリアに感染し、責任者のマリア・エリーザは20回以上発病していますが、20数年シングー地域を支援し、現地語も習得している彼女はこの識字教育を命がけで遂行しています。

長老も伝統文化継承の授業で教壇に立ちます。教室には子供達だけでなく、鳥やバクやアリクイ等も参加しての微笑ましい風景が見られます。最終目的は自助努力により、自立への道として、インディオ自身による学校組織運営の樹立を行い、法的に認知されることです。
      
        
約10年間実施してきた教育プロジェクトが実を結び、インディオの教師も誕生しました。支援対象地域の中央に位置するポスト・ピアラスに総括的な存在の学校を建設しました。この学校ではコンピュータも導入しています。学校建設費は日本政府が資金援助し、必要な機材一式は当団体が支援しました。2005年3月18日に開校式を行いました。 

また、RFJは主に熱帯林とそこに暮らす野生種の保護と不法侵入者の乱獲から彼らを守るためのインフラ整備、専門家調査行っています。
69年インディオを一掃するために、外部から天然痘、インフルエンザ、結核などの病原菌を意図的に持ち込んだインディオ担当官や地主により、一時的にPIXの人口は半分以下に減少しました。
当時の法務長官ジャデル・フェルナンドの報告書の内に、プロハンターにかかり逆さ吊りにされ、斧で身体を切り刻まれるインディオの女性や逃げ惑う子供をゲームのごとく撃ち殺している白人の写真も存在しています。93年のヤノマミ族大量殺戮のニュースは世界中に流されました。

97年には突然シングーで結核が蔓延し、これも水面下で不穏な空気が漂っていましたが、このときも緊急医療支援を行いました。

ジャングル、野生動物、そして森の番人であるインディオの人々。すべての命の重さは、私たちと同じです。
遠いアマゾンの事件をたぐり寄せると、文明社会の便利で豊かな社会にたどりつきます。
RFJは今後とも熱帯林と先住民の命を支援していきます。


これまで見てきたように、ブラジルのアマゾンの熱帯林は一元的な理由ではなく、
複雑な要素が絡み合って減少しているのです。
先住民は焼畑を行うことがあっても、必要最小限の行為で、
何万年にも渡って「
持続可能な開発(sustainable development)」方法で森と共存してきました。
先住民こそが「森の番人」であるということができるのです。
シングー地域においては、先住民の支援が結果的に熱帯林を守る事につながります。
生活の基盤をジャングルに置く先住民は、
独自の生活文化の存続を強く願っており、その為には森の存在が不可欠なのです。


本来なら約1万5千年前からの住人であるインディオにとって、 アマゾン全体が彼らの生活の一部です。インディオ=保護という考え方自体が僭越であるとも言えるでしょう。
インディオの意識には森林を「保護」するという考え方は存在しません。畏敬の念をもって自然と接し、共に生きているのです。


経済優先の論理にそって生きていた私達が、物質文明の限界に立たされ、豊かで便利な生活を得た代償として、同時に沢山のリスク(世界的な気象変動、オゾン層の減少、温暖化現象など)が現実にたちふさがっています。文明という迷路から脱出するための鍵を先住民と呼ばれている人たちが握っているように思われます。大規模な環境破壊が世界中で展開され、自然との共生のありかたを今一度認識する時期にきています。熱帯林が全滅する前に、今こそ一人一人の意識変革(パラダイムのシフト)が必要なのです。


 ブラジルの熱帯林は法的に認定されているインディオ保護区を除き、一部の自治体や国の管理地を別にすると、
 大部分は個人か企業が所有しています。
 インディオ保護区では先住民の承認なしに開発をすすめることが禁止されているので、インディオ保護区を更に
 承認してもらい、拡大していくことは、今日の加速度的な熱帯林の減少の対策にとても重要なことです。
 先住民の存続は熱帯林の保全につながり、また熱帯林の保全は先住民の存続へとつながります。
 私達は地道に小さなところからアマゾンの熱帯林とそこに暮らす先住民のための支援活動を続けてまいります。

 

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